謹んで新年のお慶びを申し上げます。

皆様には日頃よりお世話になり厚く御礼申し上げるとともに、本年も変わらぬご厚誼を賜りますようお願い致します。

 

さて、日本では新型コロナウイルス感染状況の改善傾向が続き 1 日当たりの感染者数が 100人前後となり、ようやくコロナ以前の生活・習慣が取り戻せつつあった中、年末に新たな変異株(オミクロン株)が出現、欧米等でまん延が再度進む事態となりました。日本への波及が懸念されますが、本年は昨年同様我々の節度ある行動とともにブースター接種が粛々と進み、新型コロナウイルス感染症が沈静化(with コロナ)することを願うばかりです。

 

さて、弊社がお世話になっております造船・船用業界におきましては、昨年主にコンテナ船を運航する船社が過去最高水準の利益を得る一方、造船所はその手持ち工事量の危機的状況をようやく脱しつつある中で鋼材をはじめとする資材高騰に苦慮し、我々船用業界も安定供給責任と資材高騰の板挟みで同じく大変苦しい状況でした。

結果的に低船価の受注となった建造が続く本年前半もこの状況は変わらず、本年後半以降は若干の繁忙期に備えて人材確保も必要となってくるものと予想され、コロナで生じた混乱はこれからがまさに正念場かと思われます。

 

さらには、世界的な環境規制・温暖化ガス排出規制強化拡大の中、国土交通省は国際海運に携わる船舶の温暖化対策について、2050 年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする目標を掲げました(IMO=国際海事機関に提案)。

この実現のためには、従来の主機の主な燃料であった重油に代わり▽LNG 燃料船▽アンモニア燃料船▽水素燃料船が考えられています。それぞれで主機や燃料供給システムなどの開発・実証などで高い技術開発能力が必要となり、日本の造船業界は昨年から M&A を含めた再編・統合・変革を進め、研究開発のリソースを集約しこの課題に取り組んでいくようです。

この規制強化拡大の中に存在するビジネス機会を逃さず捉え、弊社も身の丈にあった成⻑を堅実かつ着実に進める必要があるものと思っております。

 

ただ、「地球温暖化対策に取り組んでいかなくてはいけないという強い意識が、特に欧米諸国を中心に覆しがたい大きな潮流になっている」のは理解しますが、些かエモーショナル(emotional)じゃないかとも感じております。

化石燃料で豊かになったのも事実(主に欧米諸国で最も顕著に)であり、その化石燃料を有効利用するのも今後の我々の責任かとも思います。大きな潮流の中、揺れ戻しも必ずあるものと思われますし、また、それを悪用した環境ビジネスなどに惑わされず、足下をまず大切にすることも中小企業には必要かと思っております。

 

最後になりましたが、皆様の益々のご隆盛とご健勝 をお祈り申し上げ新年のご挨拶とさせて頂きます。

 

日の本辨工業株式会社

代表取締役  岡 一嘉